行動分析学TIPS:想いは力、言葉は魔法❤︎

行動分析学を学んでいる、学ぼうとしている方へ何かを発信しようとする試みの一つです(`・∀・´)b

「消去+消去バースト+分化強化」がシェイピング!

 

こんにちは!

行動アシストラボ理事/研究員の齊藤愛里です!

 

今回は、なかなかイメージしづらい、

あんどなぜかネガティブに捉えられがちな

「消去」関連のお話です。

 

そもそも消去とは
消去とは、今までは強化されていた行動をしても、何も変化が得られない状態。


これだけ聞いたらなんかヤな感じ。
でも実はとっっっっっても大事な原理。
私たちの成長、進化、発展はこれのおかげでもあるから!


さて、じゃあ消去ってなんだろう?

 

例えば。


「あぁ!今すぐテレビが見たい!」
と、リモコンを手にして電源のボタンを押す。


つかない。

 

これが消去!

 

「今まではリモコンのとあるボタンを押せばテレビの電源が入ったのに今回は入らない!」

 

これまでと比べてみると・・・


【これまでの随伴性】
テレビの前で
→リモコンのボタンを押す
→テレビがつく

 

画面の点灯なし→ボタンを押す→画面の点灯あり

 

これが強化!(好子出現の強化)

 

【今回の随伴性】
テレビの前で
→リモコンのボタンを押す
→テレビがつかない

 

画面の点灯なし→ボタンを押す→画面の点灯なし

 

これが消去!

 

 

で、私たちが何か壁にぶつかるとき、実はこの消去も起きているのです。

 


今までは


「おはよー」


と言えばみんなが


「おはよー!!(*^^*)」


って返してくれていた学生時代。

 

 

それが、社会人になった途端


「おはよー」


と言っても


「( ゚д゚)?」


って顔される。

 

 

今まで得られていた反応が得られない。
そこでどうする?
そう、ここが一番大事。


この先に進んでさらに成長していくには「消去バースト」を起こせばいい!!!

 

「おはようございます!(`・∀・´)」
ならどうだ!
「おはようございまーす(*´∀`*)」
ならどうだ!


そんな消去バーストという名の試行錯誤をしていると、いつか


「おぅ、おはよっ」


という返事がもらえたりするわけです。

 


環境が変わり
強化されていた行動が消去され
そこで消去バーストを起こし
その中の行動のどれかがいつか強化され
行動レパートリーが増える

 

 

世の中の営業マンが何度もなんども足を運んでようやく決める案件も。
何度もなんども実験を繰り返したエジソンも。

みんな消去と消去バーストによって行動レパートリーを増やし、さらなる未来に向かっているのです。

 

じゃあ分化強化のお話

さて、ここまでは「消去+消去バースト」についてお話ししました。これらによって私たちは、不要な(あるいは不適切な)行動を行わないようになっていき、より必要な(適切な)行動を行えるようになっていきます。

 

実はこのとき、消去バーストによって出てきた多くの『新しい行動』の中の、「より適切な行動」が強化されていきます。

 

わかりやすく具体例でいきましょう。
前回のテレビの電源が入らない例です。

 

テレビの前で
→リモコンのボタンを押す
→テレビの電源が入らない

 

ここで「リモコンのボタンを押す」という行動が消去されたので、どうしてもテレビが見たい私は「消去バースト」を起こし、様々な行動を起こします。


・リモコンのボタンを強く押す
・リモコンをテレビに近づけてボタンを押す
・リモコンをたたいてからボタンを押す
・リモコンを振ってからボタンを押す
・リモコンの電池を入れ直してからボタンを押す
・テレビの電源ボタンを押す
etc...

 

これらの行動を上から順にやっていったとしましょう。

 

もし、ここで1つ目の「リモコンのボタンを強く押す」行動をしたときにテレビの電源が入れば、私は

 

リモコンのボタンを押しても電源が入らない
→リモコンのボタンを強く押す
→テレビの電源が入る

 

という行動レパートリーを獲得します。

 

もし、1つ目と2つ目の行動をしても電源が入らなくて、3つ目の「リモコンをたたいてからボタンを押す」行動をしたあとにテレビの電源が入れば、私は

 

リモコンのボタンを押しても電源が入らない
→リモコンをたたいてからボタンを押す
→テレビの電源が入る

 

という行動レパートリーを獲得することになります。

 


つまり、「リモコンのボタンを押しても電源が入らない」という文脈において、

 

・「ボタンを強く押す」行動は強化されなかった
・「リモコンをテレビに近づける」行動も強化されなかった
・「リモコンをたたいてからボタンを押す」行動だけが強化された

 

となります。
これが『分化強化』です。

 

 

ざっくりした全体イメージは、例えばパソコンを習いたてで、目的とするページにたどり着くまでに最初は100回のクリックが必要だった(不必要な場所のクリックがめちゃくちゃ多かった)のが、だんだん本当に必要なところだけのクリック10回だけで目的ページにたどり着けるようになっていくような。


これは、余計な90回の余計なクリックは消去され、適切な10回のみが『分化強化』されたと言えます。

 

(※この、「だんだん不要な行動が減っていき適切な行動だけが残っていく過程」のことを『シェイピング』と言います。)

 

 

このような分化強化をものすごい回数重ねることで私たちはさまざまな行動、スキル、パフォーマンスを獲得してきているのです。

 

 

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